学術プログラム
学術プログラム
(2025年4月10日現在)
会長講演
理事長講演
企画セッション(シンポジウム・パネルディスカッション)(公募)
(座長掲出 五十音順)
「心不全パンデミックを防ぐ! ステージA、Bからの予防戦略」
座長:絹川真太郎(九州大学)・竹石 恭知(福島県立医科大学)
-
企画趣旨
心不全を早期に診断し、エビデンスに基づく十分な治療を開始することが予後の改善につながる。そのような考えから、心不全の危険因子(高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、肥満など)を有する状態をステージA、無症候性の心機能障害を有する状態をステージBと呼び、心不全発症・進展予防の重要性が強調されている。近年、糖尿病患者に対する心不全を含む心血管疾患の1次予防としてSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬のエビデンスが構築されてきている。また、糖尿病を有する慢性腎臓病患者に対するSGLT2阻害薬やフィネレノンの心不全入院予防効果も示されている。無症候性の左室駆出率低下症例に対しては、従来からβ遮断薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬の有効性を示すエビデンスがあるが、ARNIやSGLT2阻害薬については有効性を示す十分なエビデンスはない。一方、ステージAやBは無症候性であるがゆえに、臨床の現場においてその進展を予測するのが難しいが、BNP/NT-pro BNPによるスクリーニングは有効であると考えられる。本セッションでは、薬物療法だけでなく、生活習慣の管理(運動療法や栄養管理)やスクリーニング方法を含めた心不全ステージ進展の予防戦略を最新の研究成果を元に議論したい。
「心不全のリスク評価と治療戦略—個別化医療の実践へ」
座長:坂田 泰彦(国立循環器病研究センター)・白石 泰之(慶應義塾大学)
-
企画趣旨
心不全診療において、患者のリスクを正確に評価することは極めて重要である。臨床医が自身の直感や経験のみに頼るのではなく、客観的な予後因子に基づいたリスク評価を行うことが、適切な治療戦略の選択に不可欠である。リスク評価には、バイタルサインや身体所見、基礎心疾患・併存疾患、BNPをはじめとするバイオマーカー、心エコーなどの画像所見、運動耐容能、さらにゲノム情報など、さまざまな指標を総合的に考慮する必要がある。
近年、これらの指標を組み合わせたリスクモデルによる包括的な評価の有用性が報告されており、2023年に発表されたCOACH試験もその代表例の一つである。実際に、国際ガイドラインにおいても心不全患者のリスク層別化が推奨されており、定性的・定量的なリスク評価を通じて、より効果的かつ効率的な医療提供を目指す流れが加速している。これにより、従来の画一的な治療アプローチから、個々の患者に応じた「テーラーメード医療」へと進化しつつある。
臨床現場では、様々な転帰に対するリスク評価が求められる。たとえば、死亡率予測にとどまらず、心臓突然死のリスク評価は植込み型除細動器(ICD)の適切な適応判断に不可欠である。また、高齢者心不全では、心不全の再増悪を防ぐことが治療の要となる一方、植込み型補助人工心臓(VAD)や心移植を考慮する場合には、1年以内の生存率予測が重要な指標となる。さらに、心不全予防の観点からは、Stage B(Pre-HF)の段階でStage Cへの進展リスクを見極め、早期介入を行うことが望ましい。
本シンポジウムでは、こうした多様な状況における心不全患者のリスク評価の現状と実臨床への応用、さらに将来的な課題について、最新の知見もとに幅広い議論が展開されることを期待している。
「急性心不全に対する急性期治療のサロゲートマーカーとして何を重要視しますか?」
座長:佐藤 直樹(かわぐち心臓呼吸器病院)・後岡広太郎(東北大学病院)
-
企画趣旨
急性心不全の初期治療目的は一刻も早く患者の症状・徴候を軽減することと病態を安定化することにあるが、そのサロゲートマーカーとして血管拡張薬による肺水腫改善効果判定として動脈酸素分圧、利尿薬の効果判定として尿量、尿中ナトリウム、尿浸透圧等々、低灌流の改善効果判定として血中乳酸値、全体的な負荷改善効果でナトリウム利尿ペプチド測定があげられるがこれらを含めてどのような指標をどのように活用するとより効率良く急性期治療が実践できるのか?
「心不全のvulnerable期をどう乗り切るか?」
座長:佐藤 幸人(兵庫県立尼崎総合医療センター)・的場 聖明(京都府立医科大学)
-
企画趣旨
心不全患者は入退院を繰り返しながら徐々に病態とQOL・ADLが悪化する。退院した患者は、退院後数カ月間は特に再入院しやすく心不全のvulnerable期(脆弱期)と呼ばれている。原因には、疾患自体の悪化以外に入院中の治療とケアの連続性が保たれないことが指摘されており、医学的治療だけでなく多職種が関わるケアに関する部分も大きい。医師の役割としては、退院後のうっ血評価、再入院リスク評価、薬剤調整が重要である。最近報告されたSTRONG-HF試験では、退院後の心不全患者に対して薬剤を早急にアップタイトレーションすることにより、症状とQOLが改善、再入院と死亡率が抑制され、vulnerable期における薬剤調整の重要性が示された。また、欧米では心不全専門看護師外来への受診や、地域の薬局薬剤師の関与により入退院を回避できることが報告されている。わが国では新たに2024年に在宅療養指導料や、調剤後薬剤管理指導料が慢性心不全患者に設けられ、メディカルスタッフによる疾病管理が期待される。高齢化により介護領域の介入が不可欠な症例も増加しているが、家庭状況や服薬状況をリアルタイムにスマホで確認・共有できるようなシステムも開発が進んでいる。本シンポジウムでは、令和時代における心不全vulnerable期の克服を、医療とケアの双方から取りあげてみたい。
「HFpEFのフェノタイプを探る:one size does not fit all」
座長:小保方 優(群馬大学医学部附属病院)・坂田 泰史(大阪大学)
-
企画趣旨
左室駆出率の保たれた心不全(Heart failure with preserved ejection fraction: HFpEF)は高齢化や生活習慣病の増加によって、左室駆出率の低下した心不全(Heart failure with reduced ejection fraction: HFrEF)に対してその頻度が増加しており、いまや心不全の半数以上を占めている。HFpEFでは、生命予後を改善させる明確なエビデンスを示す薬物療法がなかったことが最大の問題であったが、近年のSGLT2阻害薬の登場によってHFpEF診療は大きく前進した。一方、SGLT2阻害薬の効果をもってしてもHFpEF患者の残余リスクは依然として高い。HFrEFで長年培われてきた画一的治療(one size fits approach)の効果がHFpEFで限定的な理由として、HFpEFの病態が複雑で異質性(heterogeneity)があることだと考えられている。フェノタイピングは、このHFpEFの異質性を克服するために、HFpEFを病態が類似したサブグループに分けて個別化治療をしようとする戦略である。合併症、血液検査、心エコー図などの心血管イメージング、機械学習などでHFpEFをフェノタイピングすることが提唱されており、最近の肥満を合併したHFpEFに対するSTEP-HFpEF試験、SUMMIT試験は、フェノタイピングが奏功した画期的な例といえよう。しかし、海外のフェノタイピングをそのまま本邦の患者さんに応用できるとは限らない。本セッションでは本邦におけるHFpEFのフェノタイピングの可能性と、それを基盤とした治療戦略について議論したい。
「心不全治療における利尿薬治療を再考する」
座長:石原 嗣郎(埼玉医科大学)・今村 輝彦(富山大学)
-
企画趣旨
本邦における高齢化のスピードは類を見ないほど早く、併存疾患を多く持つ心不全患者が増加している。心不全治療において、利尿薬、特にループ利尿薬は中心的な役割を果たすが、利尿薬抵抗性の定義が明確ではないことからその疫学は不明な点が多いが、一定数存在することは明らかである。
一方で、これに対抗する新たな治療戦略や選択肢も進化している。本邦で進化してきたバソプレシン受容体拮抗薬をはじめ、利尿薬を補完する形でSGLT2阻害薬やARNIなど、利尿作用を有する心保護治療薬が登場し、五苓散などの利水薬にも注目が集まっている。また、利尿薬の適切な投与方法を決定するうえで、うっ血の定量評価も重要であり、肺エコーやRemote Dielectric Sensingなど、新たなモダリティの活用も進んでいる。
本セッションでは、これらの最新の知見を踏まえ、心不全治療における利尿薬の適切な組み合わせと最適な使用法について、幅広く議論したい。
「ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の最新知見」
座長:加藤 恵理(京都大学附属病院)・桑原宏一郎(信州大学)
-
企画趣旨
アルドステロン受容体の拮抗薬であるミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)は、古くはK保持性利尿剤として、また高血圧に対する降圧薬として使用されてきた。また近年では収縮率の低下した心不全(HFrEF)に対する必須の薬剤の一つとしての地位も確保していた。最近の進展として、従来のステロイド骨格を有するMRAに対し、ステロイド骨格を有さない第3世代MRA(nonsteroidal MRA: nsMRA)の開発が行われ、糖尿病合併慢性腎臓病や収縮力の軽度低下または保持されている心不全(HFmr/pEF)に対する臨床転帰改善効果が明らかとなった。本シンポジウムではnsMRAを含めたMRAの効果や副作用マネジメントに関する最新の知見を共有し、その臨床実装における意義と課題に関して議論を行いたい。
「我が国の心不全患者に対するSGLT2阻害薬の有効性・安全性を検証する」
座長:河野 隆志(杏林大学)・田中 敦史(佐賀大学)
-
企画趣旨
SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬として当初開発されたが、その後の臨床試験により心不全の発症リスク低減や心血管イベントの抑制効果が広範な心不全患者で示され、非糖尿病患者を含む心不全患者への適応が拡大している。その結果、SGLT2阻害薬は心不全薬物治療の中心的な位置づけとして急速に注目を集めている。
本シンポジウム・パネルディスカッションでは、SGLT2阻害薬の有効性・安全性について、日本人心不全患者における最新の臨床的エビデンスをご発表いただき、我が国での心不全患者に対する治療効果の検証に加え、他薬剤との併用療法や安全性プロファイル、ならびに適正使用の観点を含む多角的な議論を予定したい。また、高齢者、フレイル・サルコペニア、あるいは高度腎機能障害を伴う患者といった、我が国の臨床現場で直面することが多いケースにおけるSGLT2阻害薬の使用経験についても議論し、最適な薬物治療戦略を模索したい。
SGLT2阻害薬の我が国における心不全治療での位置づけを明確にし、最新の知見を広く共有し、エビデンスに基づいた治療選択の促進を図りたいと考えている。また、今後更なる検証が必要と考えられる課題についても議論を深めることで、SGLT2阻害薬の適正使用の道筋を明らかにできることを期待したい。
「肥満合併心不全診療の最前線〜病態の再考と最新治療の展望〜」
座長:永井 利幸(北海道大学)・三好 亨(岡山大学病院)
-
企画趣旨
近年、肥満と心不全の関連が広く認識されるようになり、特に肥満が心不全の発症、進行、予後に及ぼす影響について多くの報告がなされている。肥満は心筋リモデリング、慢性炎症、代謝異常、自律神経の変調を介して心不全のリスクを高める一方で、「Obesity paradox」として、特定の患者群では肥満が予後改善に寄与する可能性も示唆されている。最近のトピックとして、肥満をターゲットとした治療戦略が注目を集めており、GLP-1受容体作動薬をはじめとする新規薬剤のエビデンスが蓄積されつつある。さらに、SGLT2阻害薬やMR拮抗薬などの心不全治療薬が肥満合併心不全に与える影響についても新たな知見が報告されており、今後の治療戦略にどのように組み込まれるべきか議論が必要である。一方で、本邦の心不全患者、特にHFpEF患者においては、欧米と比較して肥満合併心不全の割合が相対的に低いため、肥満の程度や代謝的背景を考慮した個別化アプローチが求められる。本セッションでは、肥満合併心不全の病態について最新の知見を整理し、病態・リスク評価、そして薬物療法や生活習慣介入を含む今後の治療戦略について議論したい。
「心不全パンデミックを不整脈治療で切り開く新時代」
座長:中野由紀子(広島大学)・岩﨑 雄樹(日本医科大学)
-
企画趣旨
我が国において心不全パンデミックは現在進行形で患者数は増加の一途をたどっている。近年の心不全薬物療法のエビデンスの蓄積に加え、カテーテルアブレーションや心臓植込み型電気デバイスの非薬物治療の革新により、心不全治療は新たな局面を迎えている。心機能の低下した心不全患者に対する心房細動カテーテルアブレーションの予後改善効果が複数の臨床試験で証明されガイドラインにも反映され、最近、心房細動に対するパルスフィールドアブレーションが導入されたことにより、より安全かつ効果的な治療が可能となり治療選択肢が拡大してきている。また、重症心不全に併発する心室頻拍・心室細動に対して、マッピング技術とアブレーション手法の進歩により、難治性心室性不整脈の制御が可能となっている。デバイス治療では、心臓再同期療法は、本邦においてQRS幅mid-rangeの症例にも有用であることが示され、その適応が広がり、HFmrEFに対する刺激伝導系ペーシングも普及している。一方で、高齢化に伴い心不全の死因に非不整脈死の割合が高くなる傾向が指摘されている。その為、除細動機能の必要性についてフレイル・認知機能・併存疾患を考慮し、共同意思決定のもとに治療方針を選択する重要性が増している。本セッションでは、不整脈治療の最新知見をもとに、心不全治療の新時代における治療戦略について議論を深めたい。そして、不整脈治療が健康寿命の延伸にどのように寄与し得るか再評価し、個別化医療の観点から最適な治療選択のあり方についても考察していきたい。
「遠隔モニタリングデバイスの活用で心不全診療は変わるか?」
座長:池田 礼史(埼玉医科大学)・小田 登(広島大学病院)
-
企画趣旨
循環器内科領域での遠隔モニタリングシステム(RMS)の利用は、主に植込み型不整脈デバイスの分野で大きな進歩を遂げており、本邦でもハイパワー不整脈デバイスを中心に、各種パラメーター変化、不整脈イベント、デバイスマルファンクションの早期検知や、デバイスチェックのための頻回な患者来院頻度の軽減等の目的で、既に広く普及している。また、これらのデバイスには、不整脈関連以外にも心不全に関連する各種のパラメーター(胸郭抵抗、患者活動度、呼吸状態、心拍変動解析、等)を自動測定する機能が付随しているものも多く、これらの情報もRMSで確認可能となっている。さらに、最近では植込み型デバイス以外にもスマートウオッチなどのウエラブルデバイスを用いた各種のRMSも開発されており、その効果が期待されている。本セッションでは、植込み型不整脈デバイスに限らず、RMSが利用できる各種デバイスの活用により、今後の心不全診療を、より改善することができるのか、またはできないのかを含めて検討していきたい。
「心不全診療におけるデジタルヘルスの活用」
座長:安斉 俊久(北海道大学)・鍵山 暢之(順天堂大学)
-
企画趣旨
近年の高齢化に伴い、心不全患者数は増加の一途をたどり、その管理は大きな課題となっている。また心不全治療においては、薬物療法やデバイス治療の進歩により予後は改善したものの、再入院率の高さやQOLの低下は依然として問題であり、新たなアプローチが求められている。このような背景から、デジタルヘルスは、心不全治療に変革をもたらす可能性を秘めた革新的なアプローチとして注目されている。デジタルヘルスでは、ウェアラブルデバイスやスマートフォンアプリなどを活用し、患者の日常データを継続的に収集・解析することで、病態の早期悪化の兆候を捉え、タイムリーな介入を可能にする。また、患者への遠隔モニタリングや個別化された生活指導、服薬アドヒアランスの向上、メールやテキストなどによるコミュニケーション、病院の中でのデジタル化による効率化など、多岐にわたる活用が期待される。本シンポジウムでは、心不全治療におけるデジタルヘルスの最前線に焦点を当て、現場で行われている実践的な内容、今後普及が期待される先進的な内容、そして社会実装に至るまでの様々な知見を共有し、今後の展望について議論を深め、多角的に検証したい。
「心臓移植施設と非専門施設との連携を考える」
座長:山口 修(愛媛大学)・吉川 泰司(鳥取大学)
-
企画趣旨
心臓移植は重症心不全患者にとって有効な治療法の一つであり、日本でも心臓移植実施件数は年々増加して年間100例前後となった。しかし、ドナー数の不足から多くの患者が長期間の待機を余儀なくされている。このような状況下で、心臓移植実施施設のみならず、非専門施設との連携を強化し、適切な患者管理を行うことが求められている。
現状、患者は遠方の移植実施施設への紹介受診や長期間の待機が必要となるケースが少なくない。一方で、非専門施設においても、心臓移植適応検討や心不全治療の最適化、移植後のフォローアップといった重要な役割を担うことは可能である。しかし、両者の間での情報共有や患者移行に際してのプロトコルが十分に統一されているとは言えず、診療連携の標準化と効率化が求められている。
本シンポジウムでは、心臓移植施設と非専門施設との連携のあり方について議論を深め、より円滑な患者管理体制を構築するための方策を探る。適応患者の早期診断と最適な紹介タイミング、移植前後の包括的なケア体制、遠隔医療やデジタルツールを活用した情報共有の可能性などについて議論したい。
心臓移植を必要とする患者に対し、最適な医療を提供するためには、移植実施施設のみならず、地域の医療機関を含めた包括的なネットワーク構築が不可欠である。本シンポジウムが、より実践的な連携の在り方を考え、今後の移植医療の発展に寄与する契機となることを期待する。
「心不全治療の新たな希望 再生医療の最前線」
座長:家田 真樹(慶應義塾大学)・肥後修一朗(大阪大学)
-
企画趣旨
薬物治療、非薬物治療の発展にも関わらず、最適化された標準治療にて治癒し得ない心不全は、循環器領域における大きなアンメットニーズです。本シンポジウムでは、心不全に対する再生医療の最新技術と未来展望について、どのような症例に、どのように診断し、そしてどのように治療を届けるべきか、という観点から幅広く議論します。従来のiPS細胞や幹細胞を用いた治療に加え、遺伝子治療やゲノム編集など最新の技術を駆使し、病態の最上流にアプローチすることで、機能不全に陥った臓器を再生させる医療の可能性を探ります。本シンポジウムでは、基礎分野、臨床分野における最新の研究成果を共有するとともに、今後の研究、そして現実的な臨床応用の方向性を議論する場とします。
「基礎研究から臨床へ:心不全治療の新たな展望」
座長:武田 憲彦(東京大学)・湯浅 慎介(岡山大学)
-
企画趣旨
心不全に対する治療法として、薬物療法や機械的補助循環などが進歩してきており予後は徐々に改善してきており、さらに将来の遺伝子治療や再生医療なども期待されてきております。しかし未だに心不全に対する治療法は十分とはいえず、世界中でさらなる研究開発が望まれております。新規治療法開発のためには、詳細な病態を解明していくことが重要であり、これまでも多くの研究がなされてきました。心臓に対する慢性負荷によって生じる適応現象と、その破綻によって起こる心不全に関して多くの知見が深まってきておりますが、その分子機序に直接介入するような治療法は限られております。近年の解析技術の進歩、疾患概念の変化、治療モダリティの開発などにより、心不全に対する理解は深まり、革新的治療方法の開発に対する期待は高まってきております。本シンポジウムにおいては、臨床的展望に立って、最新の基礎研究を紹介いただきます。
「閉塞性肥大型心筋症の最新治療」
座長:泉 知里(国立循環器病研究センター)・北岡 裕章(高知大学)
-
企画趣旨
『肥大型心筋症は、(1)左室ないしは右室心筋の肥大と(2)心肥大に基づく左室拡張能低下を特徴とする疾患群と定義される。安静時には30%程度でしか左室流出路閉塞を認めないが、安静時に左室流出路閉塞を認めなくとも、負荷時は30%以上で左室流出路閉塞が出現することが分かっており、本症の病態や自覚症状には左室流出路閉塞が重要な役割を果たす。近年、本疾患の本態は、アクチンとミオシンの過剰な架橋形成であることが明らかになってきた。その過剰な架橋形成を抑制する心筋ミオシン阻害剤であるmavacamtenの登場により、本疾患に対する治療が大きく変わろうとしている。Mavacamtenは左室流出路閉塞を認める肥大型心筋症の自覚症状や運動耐容能を改善することが、日本で行われたHorizon試験を含め一貫して報告されている。一方、従来より使用されてきたナトリウムチャンネル遮断薬や中隔縮小術との使い分けなど、議論すべき点は多い。さらに本症は、突然死、心房細動による脳塞栓の大きな問題であるが、突然死に対する適切な植え込み型除細動器の使用、心房細動に対するアブレーションや抗凝固療法の普及など、本疾患に対する治療は大きく進歩している。本シンポジウムでは、閉塞性肥大型心筋症治療の最新の進歩を包括的に議論したい。』
(ハートチーム)「心不全に対する脳卒中・心臓病等総合支援センターのとりくみ」
座長:金井 香菜(広島大学病院)・前村 浩二(長崎大学病院)
-
企画趣旨
脳卒中・心臓病等総合支援センター(以下センター)モデル事業は、脳卒中・心臓病等(循環器病)患者の健康寿命の延伸および年齢調整死亡率の改善を最大目標とする「循環器病対策推進基本計画」に基づき、2022年度から始まった。センターは、都道府県と連携して患者およびその家族に対して情報提供や相談支援をし、また地域の医療機関、かかりつけ医の連携を支援する役割を担っている。センターの活動により心不全を含めた循環器病の予防や発症後の患者支援が進むことが期待され、その中でメディカルスタッフの果たす役割は大きい。一方、センターには初年度は国から全事業費が交付されるものの、2年目以降は都道府県からの補助金が中心となり、予算が減額されるところが多い。このため既存の予算規模では専任職種設置など相談支援体制の維持強化が困難であったり、次年度以降の予算確保が不透明な中で長期的な活動が難しい等の課題が報告されている。また、センターの評価指標が共通して定められていないことから、現在は、各センターで異なる指標で評価が行われており、統一した評価指標の策定が課題となっている。これらを踏まえ、よりよい循環器病対策を行うべく、各都道府県での取り組みの工夫や課題について、行政との連携体制や、メディカルスタッフの役割、予算、アクションプランと成果指標等の観点からご報告いただき、先行県の取り組みについて学ぶ機会としたい。
(ハートチーム)「心不全療養指導士ネットワークの設立で何が変わったか?」
座長:曽田 武史(鳥取大学医学部附属病院)・土岐 真路(聖マリアンナ医科大学病院)
-
企画趣旨
心不全の病状進行や再入院予防のために、適切な療養指導と多職種連携は不可欠であり、心不全療養指導士はその一役を担っています。心不全療養指導士のネットワーク構築は、地域や職種を超えた情報共有とシームレスな協力体制の強化を目的として進められてきました。本シンポジウムでは、「心不全療養指導士ネットワークの設立で何が変わったか?」をテーマに、その成果と展望を議論する機会にします。
セッションの中で、いくつかの成功事例を紹介し、ネットワーク設立の背景や目的、心不全療養指導士の活動支援、地域間格差の是正や多職種連携の強化に向けた取り組みなどについて共有します。また、心不全療養指導士の介入による効果やネットワーク構築による多職種連携強化のアウトカムの設定と検証を進める必要があります。再入院率の低下、服薬アドヒアランス向上、リハビリ継続率向上など、どのような指標を活用して成果を示していくかを考えていくことは、今後の診療報酬改定やチーム医療の在り方を模索する上でとても重要であると考えます。現状、具体的な成果はまだ限定的ではあると存じますが、今後どのように実績を積み重ね、評価を行うべきかを議論します。
本シンポジウムを通じて、心不全療養指導士とそのネットワークの意義を再確認し、より効果的な多職種連携と患者支援のあり方を探る場としたいと考えています。
(ハートチーム)「働き方改革時代の心不全カンファレンス~苦悩と工夫をみんなで共有、私たちはこうしています~」
座長:石原真由美(岐阜県総合医療センター)・北川 知郎(広島大学)
-
企画趣旨
欧州心臓病学会のガイドラインにおいて心不全診療の多職種協働(Inter-professional work, IPW)がclass Iに明記されたのが2016年である。我が国の心不全診療においてもIPWは核となる取り組みになっており、多くの医療機関で多職種からなる心不全専門チームが構築されている。心不全カンファレンスは心不全IPWの要であり、欠くことのできない過程である。しかしながら、各職種が各々に特化した様々な業務に追われる中、チームメンバー内でどのように情報を共有し、診療と管理の問題点を議論し、チームとして目指すべき目標を定めていくかというテーマは一筋縄ではいかない難題である。加えて、昨今の医療界において重要案件となっている働き方改革の中、メンバーの負担軽減にも配慮した効率的なカンファレンス実施がさらに難しくなっている側面も考えられる。本シンポジウムでは、多職種カンファレンスを通した心不全患者の診療と管理に取り組む施設から、働き方改革時代における苦悩、それを克服するための工夫、そして話し合った内容をどのように活かし、患者に届けているのかを発表いただき、時代に即した心不全カンファレンスの在り方を考察する機会としたい。心不全患者の入院診療、在宅療養に関わる様々な施設からの積極的な応募と参加を期待する。
(ハートチーム)「みんなで作るセルフケア教育のエビデンス」
座長:岡田 明子(北里大学)・根井あずさ(東邦大学)
-
企画趣旨
心不全患者の予後改善やQOL向上には、心不全患者および家族への療養支援、特にセルフケア教育が不可欠である。心不全療養指導士、慢性心不全看護認定看護師など、心不全の専門知識を有する医療者の増加により、臨床現場における心不全患者へのセルフケア教育の質が向上してきた。心不全を専門とする医療者が目指すべき次のステップは、セルフケア教育の効果を評価および可視化することで、エビデンス構築に繋げることである。しかしながら、「セルフケア教育の効果は何で評価したらいいのか?」「データをどのように取ったらよいのか?」「エビデンスに繋げるためにはどのような取り組みが必要か?」など、日々の取り組みの効果判定までには至っていない施設も多いと考えられる。今後、われわれの実践を診療報酬に繋げるためには教育の有効性を示すことが不可欠であることから、エビデンスをどのように構築していくべきか、すでにエビデンス構築に向けて効果を評価している施設、これから評価しようと考えている施設などの取り組みから、今後のエビデンス構築に向けてわれわれは何をすべきか活発な議論を期待する。
(ハートチーム)「これからの塩分管理のあり方」
座長:沖野 優佳(呉共済病院))・鈴木 規雄(聖マリアンナ医科大学)
-
企画趣旨
わが国において、心不全増悪の主な要因として塩分摂取過多が挙げられ、従来の心不全患者に対する栄養療法は塩分制限が中心であった。しかし、昨今では高齢心不全患者の増加にともない、低栄養の問題にしばしば直面する。画一した厳格な塩分制限は食欲低下を招き、栄養状態の悪化につながる恐れもあるため、個別化した栄養管理へのパラダイムシフトが求められている。本シンポジウムでは、最新の知見や各施設の取り組みをご紹介いただき、改めて心不全における塩分制限および塩分管理の本質について考える。
(ハートチーム)「心不全患者のQOL評価:あなたはどうしていますか?」
座長:長村 生野(東京医科大学病院)・横山 広行(横山内科循環器科医院)
-
企画趣旨
心不全患者は呼吸困難感や息切れ、体重増加・むくみ等の呼吸・循環に関わる症状が、心機能悪化に伴い少しずつ確実に増悪し今まで出来ていたことが少しずつできなくなりQOLが低下していきます。抑うつや精神的ストレス・倦怠感などの症状や心不全治療に伴う経済的問題、家族の介護負担等も心不全患者のQOLに影響を及ぼします。
入退院を繰り返す心不全患者には病院と在宅の病診連携が不可欠であり、地域の連携病院に再入院を繰り返す症例の退院時カンファレンスで、在宅に関わるスタッフと共通言語としてのQOL評価が確立することは重要と考えます。
また、心不全患者のACPをすすめる際には、患者本人が『生活の質・人生の質・生命の質』をどのように捉えているのか、QOL評価が大切です。
心不全患者のQOL評価は度々議論に上がり、QOL評価に関する先行研究が多数報告されています。『SF?36』や『KCCQ』などのQOL尺度、『NYHA』や『6分間歩行』等の心不全病態や運動機能評価等をQOL評価に取り入れている研究もありますが、各施設で試行錯誤しながらQOLを評価しているのが現状ではないでしょうか。
心不全患者のQOL尺度や評価、あなたはどうしていますか?
(ハートチーム)「心不全患者の療養支援における健康の社会的決定要因」
座長:眞茅みゆき(北里大学)・水野 篤史(聖路加国際病院)
-
企画趣旨
多様性に配慮した循環器診療ガイドライン が発行されて、昨年にも多くの方々にご発表いただきました。社会における多様性の受け入れは必ずしも十分と言えない中、実際の診療現場では健康の社会的決定要因が重要であることには間違いありません。本セッションでは実際の臨床現場でどのように多様性に配慮し、健康の社会的決定要因を考慮しているのかについて 実際のプラクティスを紹介していただきます。
より、具体的には日本循環器学会の心不全療養指導士の方々を初め、日々の診療の中で患者の金銭的苦痛、両立支援、さらには病院や診療所へのアクセスなど、色々な悩みにたいして個別性の高い対応、さらにはある程度システム化されていることもあるかと考えます。本セッションでは是非とも皆様の日常臨床の中での苦労、そしてベストプラクティスを紹介、共有していただき、今後の心不全診療をより質の高いものにして行きたいと考えます。多くの職種の方々の応募をお待ちしております。
(ハートチーム)「心不全患者の就労・両立支援:あなたはどうしていますか?」
座長:大矢菜穂子(島根大学医学部附属病院)・齋藤 慶子(ゆみの在宅療養支援室)
-
企画趣旨
平成30年12月に公布された「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」により循環器病対策推進基本計画が策定され、就労支援を推進していく方針が示された。また、厚生労働省の「治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」でも心疾患について記載されており、疾患や経過を正しく理解した上で、労働者の病状や業務内容などを踏まえて個別に適切な就業上の措置等を検討することの重要性が示されている。
しかしながら心疾患患者は、年齢や原因疾患、病態が多様であるために、労働負荷の与える影響や予後の予測をするのが難しく、それぞれ心疾患の特徴への十分な理解が求められる。だが、心疾患は内部障害であるがゆえに周囲の理解を得にくいだけでなく、患者自身が病気に対する不安や恐れにより退職を選択してしまう場合もあり、心理的な支援も重要である。それ以外にも、若年患者の就労支援や、経済的事情が疾病の増悪予防より優先といったような背景の両立支援など、難しい例も挙げられる。加えて、都市部と地方でそれぞれ異なる課題を抱えていることも推察される。
心疾患の就労・両立支援は、がんと比べてまだ日が浅く、これから本格的に推進される段階である。今回は、多様な背景を持つ患者への就労・両立支援の実践経験を共有することで、より効果的な支援を推進していくためのさまざまなヒントを得る機会にしたい。
(ハートチーム)「ACPのための患者に一歩踏み込んだ話の聴き方」
座長:小林志津江(広島市立北部医療センター・安佐市民病院)・高田弥寿子(国立循環器病研究センター)
-
企画趣旨
近年、心不全患者に対するACPはQOL改善や終末期ケアの満足度の向上に繋がるとされ、ガイドラインにおいてClassⅠで推奨されており、各施設でACPの推進に向けた取り組みがなされていることと思います。
心不全におけるACPは増悪と寛解を繰り返す経過や予後予測が困難という病みの軌跡の特性から、繰り返し患者の価値観や医療に対する選好について対話を通して引き出し、患者・家族と共有しながら心不全の経過における目標を明確にしながら医療・ケアに反映させるプロセスが重要視されます。
しかし、臨床では、ACPという言葉が認知される一方で、事前指示やDNARの取得にフォーカスを当てた話し合いにとどまっていたり、人生の最終段階における話し合いに対するコミュニケーションに困難さ・戸惑いを感じている医療者も少なからず存在するのではないでしょうか。
ACPの質を高めるためには、話し合いのタイミングや患者・家族との良質な対話が肝となります。表面的なコミュニケーションにとどまらず、人生の最終段階において患者がどこで誰とどのように生きていきたいのか、それを支える価値観や医療に対する選好について患者の感情に配慮しながらコミュニケーションスキルを活用し、チームで共同意思決定を進めていくことが重要となります。
そこで、本セッションではACPの実際に触れ、一歩踏み込んだ話をどのように聴き支援につなげているか、発表を通して共有し、学び、実践につなげる機会としたいと思います。
(ハートチーム)「切れ目のない心不全の退院後移行期ケア」
座長:衣笠 良治(鳥取大学)・仲村 直子(神戸市立医療センター中央市民病院)
-
企画趣旨
心不全患者は、身体的問題に加え、抑うつや不安などの精神的問題、健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health)と呼ばれる経済的な問題、教育、環境、医療へのアクセスなど多様な要因が療養行動に影響を与え、自己管理を困難にしている。また心不全患者は入院から外来、病院から在宅、急性期病院から回復期病院、同じ施設内でも医療・ケアのレベルが異なる場所へ移動するため、ケアの提供者が変わることになる。この場所、ケア提供者が変わるときに、ケアが途切れることで心不全の増悪を招くことがある。このように多様かつ複雑な問題を抱える心不全患者にとっては、患者の状況を正しく、深く理解し、適切な医療やケアの連携と継続性を確保することが不可欠である。この一連の活動を移行期ケアと呼び、各施設、地域で退院支援・退院調整、地域連携として様々な取り組みが行われている。
今回のパネルディスカッションでは、切れ目ない退院後の移行期ケアに焦点を当て、移行期ケアとは何か、切れ目ない移行期ケアにするためには何が必要か、急性期病院、回復期病院、外来、在宅など様々な立場の皆様に具体的な移行期ケアを発表いただきたい。そして、演者の皆様と会場で参加される皆様と移行期ケアについて、討論したい。
(ハートチーム)「調剤後薬剤管理の成功事例・新しい取り組み」
座長:猪又 孝元(新潟大学)・澤田 和久(安城更生病院)
-
企画趣旨
令和6年度の調剤報酬改定により、薬局薬剤師による心不全患者の服薬管理および薬学的な患者フォローアップに対する評価(調剤後薬剤管理指導料)が新設された。日本心不全学会/日本薬剤師会では、同年8月に「薬剤師による心不全服薬管理指導の手引き 第1版」を発行し、退院後の”あやうい時期”における増悪や再入院を抑制することを目的に病院と保険薬局が連携して患者支援を行うための体制を提案した。調剤報酬改定後1年を経過した現在において、各地での成功体験を共有すると共に、工夫を凝らした新たな取り組み等も取り上げることにより、薬剤師による心不全患者のフォローアップが標準的な業務へと進化するよう情報共有の場を設ける。
(ハートチーム)「医療×地域連携×デジタルヘルスで支える 在宅心リハの未来」
座長:片野 唆敏(札幌医科大学附属病院)・中山 敦子(榊原記念病院)
-
企画趣旨
心不全患者の増加に伴い、在宅での心臓リハビリテーション(心リハ)の重要性がかつてないほど高まっている。しかし、現行の医療体制では、外来通院が困難な患者や高齢者に対するリハビリ支援が十分に行き届いておらず、医療機関と地域の連携、さらには在宅ケアの質の向上が急務となっている。近年、テクノロジーの発展と地域包括ケアの強化が、在宅心リハの新たな可能性を生み出している。遠隔モニタリングやAIを活用した個別最適化プログラム、地域の医療・介護・福祉との連携による包括的支援、さらにはリハビリ専門職や自治体を巻き込んだ「共創型」ケアの構築など、従来の病院主体のリハビリから、地域全体で支える持続可能な心不全ケアへとシフトする機運が高まっている。
本シンポジウムでは、在宅心リハを成功させるための「医療×地域連携×デジタルヘルス」の可能性を探り、新たな取り組みや実践例を共有しながら、地域に根ざした心不全ケアのあり方について議論する。
また、パネルディスカッションでは、会場の参加者とともに、地域の実情に応じた在宅心リハの実践モデルや、医療者と地域がどのように協働できるかについて活発な意見交換を行う予定である。心不全ケアの未来は、医療機関だけでなく、地域全体で支える仕組みをどのように構築するかにかかっている。本シンポジウムが、実践的な解決策を見出し、患者にとってより良い在宅心リハの実現につながる場となることを期待する。
ハートチーム特別企画「本気の心不全啓発動画天下一武道会」
座長:岸 拓弥(国際医療福祉大学)・渡邉 雅貴(医療法人社団みやび)
-
企画趣旨
心不全啓発の重要性は叫ばれて久しいが、残念ながらうまくいっていない。特に一般市民のレベルでは心不全という意味はおろか言葉すら全く浸透していない(という現実を理解してない医療関係者が多いことも問題)。そもそも、テレビや映画、小説の世界で、主人公が心不全に罹りストーリが展開されるドラマや映画のタイトルが思い浮かぶであろうか。一方で、悪性腫瘍は一般市民に心不全の比ではないほど浸透しており、ドラマや映画の中でも普通に「ステージ4のがん」のセリフが登場する。この現状を打破する一歩目として、今回のシンポジウムでは、座長の二人がこの数年企んできたテーマを米子で実施する。その名も「本気の心不全啓発動画天下一武道会」。職種や職場をまたいだチームで、一般市民に心不全のこと、特に「心不全ステージ分類」を、「どう伝えるか」ではなく「観た人にどんな気持ちになってほしいか」の気持ちで30秒間の動画を作成してください。4組募集します。本番では、チームで作成した企画書のプレゼンテーションと制作した啓発動画発表をしてもらいます。そして、座長・コメンテーターはそれぞれ5点、会場の聴講者は1点の持ち点で、企画内容と動画の評価採点を行います。最優秀チームには副賞として、富山での第30回日本心不全学会学術集会期間中の幕間動画放送権利獲得の噂が…また、学会公式SNSで一般公開やメディアへの投げ込みもあるかも!
天下一武道会に参加をご希望される場合は、当日ご発表頂く企画書や動画のコンセプトがわかるように抄録を作成ください。抄録内容を精査し上位4組の応募者に当日プレゼンをお願い致します。
注)本企画では、動画は作成いただきますが、動画作成能力を競うものではありません。あくまでも企画内容が主な評価の対象となります。皆さまの様々なお仲間同士で、知恵を絞りお創り頂きました力作をお待ちいたしております。
ジョイントセッション
1)Joint Session with Heart Failure Association-European Society of Cardiology
2)Joint Session with Heart Failure Society of America
3)Joint Session with Korean Heart Failure Society
4)日本心臓リハビリテーション学会ジョイントセッション
5)心筋生検研究会ジョイントセッション(2セッション)
6)日本カヘキシア・サルコペニア学会ジョイントセッション
7)日本痛風・尿酸核酸学会ジョイントセッション
8)日本呼吸器学会ジョイントセッション
教育講演
心不全療養指導士セミナー
特別企画(13セッション)
症例セッション(19セッション)
心不全café
心筋生検研究会報告会
一般演題(口演のみ)
YIA(医師(基礎・臨床)・ハートチーム)
一般演題
English Session
Late-breaking演題